だめにんげんやめたいにっき

妻子持ちダメ人間がダメじゃなくなろうと努力する様をポップに描きます(予定)にっきと称していますが更新は不定期です

謎の痛みで身体がやばい(2)

大学病院では皮膚科と膠原病科(正確な名称ではないけど正式名を出すと特定されるのでぼかしておく)の2箇所にかかることになった。

平日しか診察がないとはいえ、職場も春休みに入って時間には余裕がある。こうなったら徹底的に原因を究明してもらおう、と考えた。

 指の背はいよいよぱっくりと割れて、少なからず血を流す状態になっていた。

 

皮膚科では、あらかじめ最も疑いが強いとされた「皮膚筋炎」という病気に特徴的な症状が出ていないか、という点「のみ」をチェックされた。

これは当てはまらない、これはちょっとその気があるけど大したことなさそうだから経過観察ね、あっ皮膚の荒れには保湿が効果的よ、この薬を毎日塗ってね。

他にも細々としたことは言われたが、専門語の類が多すぎてほとんど理解できなかった。

診察は高度にマニュアル化されていて、そのことを隠そうともしない。そういう印象を持った。

 

膠原病科の方は、輪をかけて事務的だった。

まず待合室に入って驚く。そうはお目にかからない数の患者で、たくさんあるソファのほとんどが埋まっていた。案の定、予約時間を小一時間過ぎて、ようやく診察室に呼ばれる。

担当医は40代半ばほどの女医だった。にこやかに挨拶され、状況を聞かれ、指も見られる。

あんまり心配なさることはないと思いますね、などと言いつつ、女医は血液検査と内蔵のレントゲン撮影を受けるよう指示を出し、早々に退室を促してきた。

 

翌々週、検査結果を聞きに再び病院を訪れる。

このとき、手足の指の痛みはいよいよひどく、手首も妙に痛みだしていて、心なしか膝や腰にも(腰に関しては元々ヘルニア持ちで慢性的に鈍痛はあったけど、より鋭い)痛みが出てきているように感じていた。

皮膚の荒れが多少落ち着いた指の関節には、「ゴットロン兆候」でイメ検すれば出てくるのとそっくりな赤みが差し(左右がまったく対称なところもそのまんま)、朝の起き抜けには指の曲げ伸ばしにも難儀することがしばしばで、いよいよ歩いて移動するのに支障が出てきていた。

ゴットロン云々という話はしなかったが、このようにあちこち痛んで困っています、と訴える僕に、女医は告げた。

血液検査・レントゲン、ともに問題ありません。膠原病の診断結果には、いずれも合致しません。

本科の管轄とは違うかもしれませんが、手足のレントゲンは撮っておきましょう。

 検査結果は、都合により一月近く経ってから聞きに行くことになった。

 

都合というのは、遅めの新婚旅行だった。

体調を考えるとキャンセルした方がいいようにも思えたけれど、夫婦とも前々から楽しみにしていたことだし、その後は仕事が忙しくなる一方なのが目に見えていたので、少々無理をして出かけることにした。

結果的に、この選択は事態を少しだけ好転させる。

行き先が南の暖かい土地だったので、寒さに比例してひどくなっていた指の痒みやこわばりは、現地入りの翌朝には嘘のように消えた。

個人的には初めて訪れる場所であり、新鮮な刺激に満ちていて、観光地では駆けずり回れるぐらい元気になった。あの旅行は楽しかったなあ、と、今でも思い出す。

 

ただ、旅行から帰ってくると、別の問題が浮上してくる。

※また長くなってきたので分けます。